大学時代、駅伝で10km前後の距離のタイムを上げるための練習方法として試したことで興味深かったことがある。
まずひとつのパターンとしては、ポイント練習をとにかく集中して行い、それ以外の練習はゆっくりとしたジョグで疲労を抜くといったメリハリをつけた練習方法。
もうひとつのパターンは普段からジョグのペースを速くして、常にペースを意識した練習方法。
私が普段から効果があると信じていたのは前者のパターンで、一般的にもメリハリのついた練習が良いとされていたこともあり、疑うことなくその練習方法を採用していた。
しかし、時間の都合でそういった練習が継続できなくなってしまった時期があり、練習方法を変えざるを得ない状況になった。
そのときに、メリハリをなくして平均的に強度を上げてしまう後者のパターンで練習を積んだところ、思ったよりも練習効果が得られたことに驚いた記憶がある。
ポイント練習で身に付けたスピードがベースとしてあったからその練習パターンが生きたという可能性はあるが、練習をパターン化してしまわずに工夫して試してみることの重要性を感じた瞬間だった。
自分の中の新しい一面を見つけたような気分にもなった。
速くなるための方法に正解はなく、また苦しい練習をすれば必ず成長するわけでもない。
陸上競技の面白さを改めて感じられた気がする。