タイムパフォーマンスの向上は幸せにつながるのか

現代人の時間感覚が昔と比べて変わりつつある。

モノやサービスがいつでも手に入るようになったことで、時間をどう有効に使うかということに敏感になっているのではないか。

いかに時間を有意義に使えるかという「タイムパフォーマンス」が重要視されている。

消費者はタイパの良いものにシフトしつつあり、時間を有効に使えるということが新たな価値としてマーケットで取引されるようになっている。

 

このタイムパフォーマンスを求める行動は、個人の人生にとって幸せに繋がるのだろうか。

私は逆に時間を有効に使えるということが、無思考な日常を生んでしまうのではないかと考える。

スキマ時間でさえもタイムパフォーマンスのよいコンテンツで埋めてしまえるということが、思考を深く掘り下げるための時間を奪ってしまうのではないかと思う。

これまで以上に自分の頭で考える力が必要になる。

自分のなかに計画やルールを持っていないと時間は奪われていく。

結果的に人生の中で本当に自分が欲しいものが分からないままになり、幸福感も得られないのではないかと考える。

 

タイムパフォーマンスという言葉には、最短距離を求める人の焦りのようなものが感じられる。

最短距離を求めると、人生の深みは出ない。