大学時代に陸上競技を夢中でやってきて、その中で自分が具体的にどのようなことをやってきたのか。
自分の思考や行動を言葉で表現してみたい。
自分の身体を使って実験をしている感覚だった。
私の場合は本や雑誌に載っている情報を参考にし、練習メニューなどを立ててやってみるという感じ。
インターバルトレーニングが好きで、最後まで追い込む練習をしっかりやっていた。
特にみんなが嫌がる2000mのインターバルを重視していた。
当時試合で5000mなどを走ると、やはり3000mあたりから急激にスピードダウンする傾向があり、それを改善するのが課題となっていた。
5000mを最後まで押して行けるスピード持久力を強化するためには2000m〜3000mのロングインターバルが重要という仮説を立てて、そこを重点的に鍛えていた。
また、脚筋力を鍛えるためには平地を走っているだけではダメで、不整地やアップダウンがあるところを走ることで、広い歩幅を維持するための筋力が身に付くと考えていた。
そのため積極的に山道やクロスカントリーコースを走ることを意識していた。
また、早朝練習を非常に重要視していた。早朝練習は身体がまだ温まっていないこともあり、ペースを上げようとしてもなかなか上がらず非常に苦しい。
しかしそのキツさが身体の中で反応が起こっている証拠であり、習慣化することで血管や血液系に良い効果を与えるのではないかという仮説を持っていた。
主にこのような考えでトレーニングを行っていたら実際に結果も出ていた。
しかし、今思うのはもっとパターンを変えてみるべきだったということ。
ある程度のタイムまでは伸びたが、停滞している時期があった。そこで練習パターンを変えてみるチャレンジが必要だったなと思う。
競技人生後半で、思い切ってタイム向上に対する考え方を変えてみたことがある。
トレーニング内容も方向性を変えて、どれだけ走れるか実験をしてみると意外といい走りができた。
そしてそれを面白いと思った記憶がある。
タイム向上という目標に向けて、仮説を立てて、実際にやってみた上で得られた結果からフィードバックを得て、また修正をしていくという作業。
うまく結果がでないことが多いけれど、良い結果が出たときの喜びは大きい。
試行錯誤を繰り返すことで自分が変わっていくというプロセスを楽しんでいたのかもしれない。